キーワードから検索

理事長あいさつ

「それでもここで暮らしたい」その想いに応える医療を!

芦別平和診療所・所長堀毛清史の写真

勤医協空知介護医療センター

理事長 堀毛 清史

 

 

芦別市、歌志内市、上砂川町、赤平市の4自治体は、北海道の空知振興局に属し中空知地域の一部で、いずれも旧産炭地です。炭鉱の開発とともに街が造られ、エネルギー政策の転換による閉山により、街が急速に縮小し、北海道のなかでも過疎化、超高齢化、自治体財政の悪化が急速にすすんだ地域です。

 

ここでは「一人死亡すると、二人住民が減る」と言われます。それは、中心となる産業が十分でないため若者が都市圏へ転出、街の財政も困窮を極めており、夫婦の一人が死亡すると“もうとても一人で暮らせない”と残った方が札幌や旭川へ移るからです。しかし、それでもこの街で暮らしたい、多くの人がそう願っている。その想いに私たちはどのように応えたらいいのでしょうか。

 

勤医協空知介護医療センターは、有床診療所として展開する芦別平和診療所、歌志内市の神威診療所、上砂川診療所の3診療所が連携し合い医療活動をすすめています。旧産炭地であることからじん肺医療が中心となりましたが、成人病や高齢者、在宅医療の比重が増してきています。超高齢化が進行するなかで、介護分野のとりくみを急速に拡大し、居宅介護や訪問介護、訪問看護、通所介護、老人ホームなどを運営する空知在宅総合センター設立しました。そして今、往診と訪問看護、福祉が一緒になって在宅医療・介護の実践を進めています。

 

同時に、それを担う「人づくり」が不可欠だと考えています。地域で産み、地域で育てる医師・看護師養成がこれからの最重要課題なのです。2016年から始めた「空知セミナー」では、芦別市長も出席いただく中で、地域で育てる医師養成について医療従事者と市民・住民が同じテーブルで語り合う、そんな経験も積み始めています。最後までこの地で住みつづけるためには、患者・住民を中心に、密接不断に連携する医療と介護、自治体のイニシアティブなどが必要です。空知介護医療センターは、最期まで住みつづけられる街づくりに今後とも大いに貢献したいと考えています。

 

地域医療に関心のある医学生、青年医師の皆さん。在宅看護、地域に根差した介護を目指している看護・介護士さん。是非、ここ空知へおいでください。

 

 

フローレンス・ナイチンゲール(Home Nursing 提案者)の言葉

「すべての看護の最終目標は、病人を彼ら自身の家で看護することだというのが私の意見です。でも2000年のことについて話しても何にもなりませんね。」

(1867年6月4日 従弟ヘンリー・ボナム・カーター宛書簡)